通常は首相指名選挙後、間をおかずに首相任命式、閣僚認証式を経て新内閣が発足する。菅直人新首相は人事構想に一定の時間をかけることを優先した。
内閣総務官室によると、内閣発足までの有事や緊急事態への対応は「憲法71条に基づき、鳩山内閣が適切に判断し、職務を執行する」。
過去にも「空白期」に対処が迫られる事故がおきている。平成6年4月の羽田内閣発足時に、名古屋空港で死者260人以上を出した航空機炎上事故が発生し、総辞職した細川内閣の閣僚らが対応にあたった。
職務執行内閣の権限はあくまでも行政の停滞を防ぐためで、新規政策などには取り組まないのが原則。朝鮮半島では、韓国軍の哨戒艦撃沈事件で緊張が高まっているだけに、「職務執行内閣」では不測の事態がおきたときに即応できるのか疑問視する向きもある。
菅氏を含め、平成に入って15人が首相に就任したが、このうち即日、内閣が発足しなかったのは7人。これまでは細川、羽田両内閣の3日間が最長だった。
一方、菅氏の任命式だけがあり、他の閣僚の認証式が遅れた場合、菅内閣は首相だけの「1人内閣」となる。この場合、内閣法10条に基づき、首相は他の閣僚の臨時代理を自らに発令し、全閣僚を1人で兼任する。その間の諸問題は、当然首相1人が対応する。
1人内閣は過去に4回存在した。直近では平成6年4月28日に発足した羽田内閣が約9時間にわたり1人内閣となった。
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